2012年11月28日水曜日

フィンランドに次ぎ世界第2の教育大国となった韓国:その悲劇

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朝鮮日報 記事入力 : 2012/11/28 08:36
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/28/2012112800448.html

韓国、フィンランドに次ぎ世界第2の教育大国
世界的教育企業ピアソンが調査

 世界的な教育企業ピアソンが初めて実施した「世界教育大国研究調査」で、フィンランドに次いで韓国が2位となった、と英国BBCが27日報じた。

 ピアソンは全世界の小中高校の教育システム評価報告書『グローバル・リーグ・テーブル』で、2006年から10年にかけて
▲数学、科学、言語など基礎学力の成績
▲義務教育機関の卒業率と大学進学率
▲教育予算と教育費の規模
▲教師、保護者の教育観
などを総合評価した。

 3位は香港、4位は日本、5位はシンガポールと、上位5カ国のうち4カ国がアジアの国家だった。

 ピアソンの教育担当最高顧問マイケル・バーボー氏はBBCのインタビューで
 「上位圏の国家の特徴は、まず教師たちに高い社会的地位が与えられており、さらに固有の教育文化が存在するという点だ」
と話した。

 教育予算、教育費の規模は、児童・生徒たちの教育成就度との相関関係がみられた。
 しかし、教師に対する金銭的なインセンティブ(報奨)は児童・生徒の成績と比例しなかった。




レコードチャイナ 配信日時:2012年11月28日 11時50分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=66881&type=0

<世界教育システムランキング>
1位はフィンランド、2位は韓国、日本は4位―英メディア

2012年11月27日、BBCは英ピアソン・グループ発表の世界教育システムランキングを報じた。環球時報が伝えた。

ランキングは国際的試験の成績、大学進学率、2006~2010年の卒業率などを参考にし、教師の質とその社会的地位、専門教育修了者が受ける尊敬と給与水準なども考慮して作られたものだという。

 一位はフィンランド。
 以下、韓国、ホンコン、日本、シンガポール、英国、オランダ、ニュージーランド、スイス、カナダ、アイルランド、デンマーク、オーストラリア、ポーランド、ドイツ、ベルギー、米国、ハンガリー、スロバキアという順になった。


 だが、嬉しい知らせだけではない。
 実情は?

朝鮮日報 記事入力 : 2012/11/28 13:15
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/28/2012112801289.html

韓国で教育への投資回収できない大卒者増加
LG経済研究院が調査結果を公表



 地方で専門大学(短大に相当)を卒業し、ソウル市内の薬局でアルバイトをしているCさん(26)は、1カ月の収入が130万ウォン(約9万8000円)ほどだ。

 もちろん最初は、アルバイトではなく安定した職場を求めて就職活動に力を入れたが、最終的に就職できず、1年前から今の仕事を続けている。
 Cさんは大学を卒業したことを後悔しているという。
 中学生のころ、Cさんと同じような成績で特性化高校(旧商業・工業高校)に進学した友人は、高校卒業後に仕事を始め、今ではある程度安定した生活ができているからだ。
 Cさんは
 「商業高校を卒業した知り合いの中には、すでに300万ウォン(約22万7000円)近い月給をもらっているケースもある。
 卒業したことがさほど自慢にもならない大学の看板を手にするために、何年も無意味な時間を過ごしたようで、とても後悔している」
と語った。

67万5000人、大学に進学しない方が良い

 LG経済研究院は27日
 「教育投資費用を回収できない大卒者増加」
と題する報告書を公表し、その中で
 「経済的な側面から見ると、大学に行かない方が良かったと考えられる大卒者が増えている
と結論づけた。

 この報告書は大学進学を一種の「投資」と見なし、卒業後に期待される所得と教育費支出を比較することにより、教育という投資の収益率を計算したものだ。
 これは高卒者と大卒者それぞれの(教育)費用対効果を比較したもので、大学に支払う授業料と、大学に通う4年間に手にすることができない賃金所得は全て費用と見なされる。

 その結果、大学教育への投資による収益率の差が0以下となるケース、つまり費用を考慮すると、高卒者に比べ大卒者の方が期待所得の低いケースが、2011年の時点で67万5000人に達していたことが分かった。
 これは1995年に行われた同じ調査の結果(8万 1000人)に比べ、大きく増加している。
 しかも、専業主婦や求職の意志がないケースはこれに含まれておらず、これらも含めると、期待所得が高卒以下となる大卒者の数は、最大で180万人にまで増加する可能性もあるという。
 これは大卒者全体の14%に相当する数だ。

 これは本紙が今年7月、韓国職業能力開発研究院に依頼して行った調査の結果ともほぼ一致している。
 この調査では
 「上位10大学を除く大学の卒業者は、特性化高校の卒業者に比べ経済的に逆に苦しい立場に置かれている」
とする結果が導き出された。
 詳しく見ると、2004年の時点で全国に2000人いた特性化高校3年生のうち、卒業後に就職を選択した場合の平均給与は205万ウォン(約15万5000円)で、特性化高校卒業後に大学へ進学し、その後就職した人の給与183万ウォン(約13万8000円)を22万ウォン(約1万7000円)も上回っていた。

大学教育への投資収益率は昨年に比べ低下

 その一方で大卒者と高卒者全体の平均では、大卒者の方が所得が多いことも分かった。
 大学進学を選択した高校生と、就職した高校生の60歳までの年平均投資収益率は、大学進学者の方が14.6%高かった。
 つまり全体的に見ると、大学に進学すれば高卒者に比べ1年に14%以上高い所得を手にすることができるということだ。

 ちなみに2010年に行われた同じような調査では、この数値が15.2%だったため、今回はやや低下したことになるが、それでもかなり高い水準といえるだろう。
 しかも、大学進学によって得られる達成感や社会的地位、結婚の条件など、数値化しにくい点まで考慮すると、韓国社会での大学進学はやはり魅力的な投資になる、とLG経済研究院は結論づけている。
 ただし、投資による収益率の差は1995年に10.6%を記録して以降、2010年の15.2%までは上昇を続けたが、11年になって14.6%に低下した。
 これには何らかの原因がある、と研究院はみている。
 また塾や家庭教師など、大学進学前に必要な費用まで考慮すると、大学進学による投資収益率は12.5%まで低下する。

 報告書を作成したLG経済研究院のイ・ジソン研究員は
 「アジア通貨危機以降、大卒者と高卒者の所得の二極化が深刻な状況となり、大学進学の価値は上昇したが、授業料など費用が高騰している上、学歴よりも能力によって賃金が決まる雰囲気が社会に広まっているため、今後は状況が変わるかもしれない」
と語った。