2013年2月3日日曜日

感情的な反日は気分がすっきりする:しかし、国益には合致しない

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/02/03 11:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/03/2013020300227.html

【コラム】「日本無視」の外交はダメ

 朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領が4大大国の中で最初に中国に特使団を送ると、日本の安倍首相が2月25日に行われる韓国の大統領就任式への参加を見送るなど、韓日関係は複雑な様相を呈している。
 朴次期大統領は日本に対し、これ見よがしに中国との「友好ムード」を演出している。
 当選が確定した翌日には、日本大使よりも先に中国大使と会談した。
 韓国の歴代の大統領たちは就任後、まずは米国大使に会い、次いで日本大使に会ったものだが、今回初めて日本よりも中国の大使を優先した。
 次いで朴次期大統領は最初の特使派遣国として中国を選択した。
 これに対して日本のメディアは
 「当選を祝う花輪やメッセージは日本が先に送ったはずなのだが…。
 韓国で日本が中国に負けたのは19世紀末の日清戦争以来初めてのこと」
などデリケートな反応を見せている。

 日本のメディアの反応はさておき、次期大統領の特使が最初にどの国を訪問するのかということは、担当者の意図とは関係なく、当該国はもちろんのこと、国際社会で次期政権の外交姿勢を見極める重要なメッセージとなる。
 明確なことは
 「朴次期大統領は、昨年夏以降悪化の一途をたどっている韓日関係を修復するために何らかの配慮を見せるはずだ」
という日本側の期待が、弱まってきているという点だ。
 「知韓派」で知られる日本人たちも
 「韓国は中国だけを優遇し、日本を無視している」
と無念な思いを隠さない。
 韓国が主要国の国名に触れる際、これまでは「米国、日本、中国、ロシア」の順に読み上げていたが、最近「米国、中国、日本…」の順に変わったことについて、日本は戸惑いを見せ、「G2(米国と中国)」という表現については強い拒否反応を見せている。

 朴次期大統領は、韓中関係を名実共に「戦略的協力パートナーシップ」に格上げすると公約した。
 これに基づいて中国の新たな指導部と協力関係を築いていくという構想は、韓国の国益に合致する。昨年の韓国の対中輸出額は1302億ドル(約11兆8000億円)で、輸出総額の25%を占めた。
 これは対日輸出額の実に3.4倍だった。

 しかし、だからといって、日本を爪はじきにして中国と関係を強化するように見える行動に出るのは慎むべきだ。
 韓中関係は、韓米同盟よりも上位に位置するものではない。
 李明博(イ・ミョンバク)大統領の外交政策が対米一辺倒だったため、米中間の外交的バランスを取ろうといった主張もあるが、それこそ「中国に対する幻想」から出てきた寝言のようなものだ。
 中国は、哨戒艦「天安」爆沈事件や延坪島砲撃事件をめぐり、北朝鮮を擁護する姿勢を依然として変えていない。
 両国の経済関係が発展しても、軍事・安保分野では明らかな対立構図が形成されているのだ。
 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に「北東アジアのバランサー」を自負し「米中のバランス外交」を展開した結果、韓米同盟が危機的状況にさらされた悪夢を忘れてはならない。

 朴次期大統領は、盧武鉉元大統領が「対日外交戦争も辞さない」と宣言するほどに韓日関係が悪化していた2006年3月、周囲が止めるのを振り切って日本を訪問した。
 当時、小泉首相や安倍官房長官(現首相)など日本の政府や民間のトップたちと会談したことについて、自叙伝で
 「過去の問題さえ除けば、経済や外交、韓日両国間の交流など各分野で考えを共有できた」
と回想した(自叙伝『絶望は私を訓練し希望は私を動かす』より)。
 自叙伝の中で朴次期大統領は、孫子の兵法を引用し
 「憤りの心で争えば、しばらくの間、心はすっきりするかもしれないが、結局は望みのものを得られず、事態は悪化するだけだ。
 どんな国との関係よりも多くの忍耐が要求されるのが日本との外交」
と強調した。
 ごもっともなことだ。
 感情的な反日は、心がすっきりするかもしれないが、国益には合致しないのだ。





【 見えない歪み 】


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