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朝鮮日報 記事入力 : 2012/12/20 11:21
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/20/2012122001193.html
朴槿恵新政権の課題:
(1)国民統合
来年2月25日から5年間の国政を担う朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領には課題が山積している。
専門家は選挙戦で鮮明となった分裂を解消し、国民の統合を図ることが最優先課題だと提言した。
また、世界的な経済危機、北朝鮮の核・ミサイルによる脅威に対する適切な対応、格差の解消に向けた対策も重要課題として挙げられた。
朴氏には社会の統合に重点的に取り組むべきとの提言が多く集まっている。
陳稔(チン・ニョム)元副首相権財政経済部(省に相当)長官は
「長いコメントは不要だ。(選挙運動期間に)何度も触れた国民統合を行動と実践に移さなければならない」
と述べた上で、
「偏りのない人事こそ社会統合の出発点となる。
何よりもまず公平な人事を願っている」
と語った。
ソウル大総長を歴任した李寿成(イ・スソン)元首相は
「我が民族固有の道徳性の回復が最優先課題だ。
道徳性が回復してこそ国家統合が可能となり、大和合と団結を成し遂げ、国家の能力を発揮できる」
と述べた。
宋熹永(ソン・ヒヨン)建国大総長は
「今後5年は韓国の未来を決定する期間と言える。
当選者が落選者を心から引き入れるべきで、地域のバランスの取れた発展と公平な人材登用で国民統合を成し遂げるべきだ」
と訴えた。
宋総長はまた、
「民生が安定し、国民統合が実現できるように、新政権は低迷する経済の再生に尽力すべきだ」
と提言した。
李泰馥(イ・テボク)元保健福祉部長官は
「韓国社会には地域対立、階層間の対立が依然として残っている。
次期大統領は選挙の過程で約束した社会統合プランを実質的に推進すべきだ。
家庭崩壊も社会統合を阻害している。
それを解決するためにセーフティーネットの画期的な構築が必要だ」
との意見だ。
韓国社会の懸案である格差解消に積極的に取り組むべきだとする主張も多かった。
李長茂(イ・ジャンム)元ソウル大総長は
「朴氏は産業経済の発展とグローバル化によって生じた格差と経済の不平等の解消で先頭に立つ大統領になってほしい」
と述べた。
朴哲(パク・チョル)韓国外大総長は
「左派と右派に分かれ、自分が正しいと言い張る状況が深刻化すれば、韓国の政治的、経済的な発展にとって大きな障害になる。
国政を偏向せずに公正に運営してもらいたい」
とし、政治・理念的な対立の解決を最優先課題に挙げた。
憲法裁判所裁判官を歴任した金熙玉(キム・ヒオク)東国大教授は
「社会統合に向けては憲法が掲げる社会統合的価値を実現できる方策を探らなければならない。
そのためには他国と比べて競争力がある入試政策、教育政策を立て、統合の機会を整えるべきだ」
と提言した。
(2)世界経済危機の克服
経済界幹部からは朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領に
「経済危機を直視し、危機から脱却するための実践的方策を定めるべきだ。
経済民主化と福祉はその次だ」
とする意見が相次いだ。
韓国経済の成長率は既に3%以下に落ち込み、雇用の増加も今年の40万人台から来年は30万人台前半へと鈍ると予想されている。
国外にも米国の財政の崖、中国の成長鈍化、欧州財政危機など未解決の課題が残されている。
鄭徳亀(チョン・ドック)産業資源部長官は
「次期政権の5年間には韓国経済が抱える構造的な問題が浮上し、同時に世界経済が長期低迷に陥る。
そうした状況を正確に認識し、経済政策を展開しなければならない」
と指摘した。
経済界幹部は3つの点を注文した。
最初に政策の不確実性解消だ。
これまで企業は大統領選の結果を見極めるため、投資を先送りし、経済関連官庁も重要な懸案を「次期政権の仕事だ」として放置してきた。
朴氏は大統領に就任する来年2月を待たず、現政権と協議を行い、主な政策懸案に対する立場を整理すべきだとの意見だ。
チェ・ジョンチャン元建設交通部(省に相当)長官は
「企業と第一線の行政機関が安心して動けるようにするため、さまざまな事案に対する新政権の方針を明確にしてほしい」
と求めた。
次に2013年には景気低迷に対応するため、景気浮揚策の実施が避けられないことから、追加補正予算などの対応策をあらかじめ検討するよう求める意見が出た。
ヨルリンウリ党で政策委員会議長を務めた康奉均(カン・ボンギュン)元財政経済部長官は
「速く走る自転車が転倒しないように韓国経済が格差拡大や分配の問題を解決するためには、まずは成長の持続が必要だ。
外部環境が悪化すれば輸出が困難になる。
次期政権は財政への負担を最小化しながらも経済の活力を維持できる浮揚策をあらかじめ準備すべきだ」
と語った。
最後に韓国経済が成長潜在力を維持するためには、中長期的な構造改革が急がれるとの見解だ。
京畿開発研究院の左承喜(ジャ・スンヒ)理事長は
「潜在成長率の低下は当面解決可能な問題ではないが、解決を先延ばしにすれば結局は福祉や経済民主化も推進できなくなる。
不必要な政府規制を緩和し、大企業と中小企業の関係を根本的に設定し直すところから出発すべきだ」
と提言した。
(3)格差解消と中産階級の再建
朴槿恵(パク・クンヘ)新政権が推進すべき最大の課題に格差解消と中産階級の再建がある。
富の偏重で中産階級が減少し、国民は相対的に豊かさをを奪われたと感じているからだ。
専門家は解決策として雇用創出を優先すべきだと指摘している。
韓国開発研究院(KDI)の兪京濬(ユ・ギョンジュン)上級研究委員は
「輸出が伸びても雇用増加につながらず、所得分配が悪化し続けた。
政府が福祉支出を増やせば所得分配が改善するかもしればいが、財政負担が問題だ」
と指摘。
その上で、
「所得は結局雇用から生まれるものであって、雇用創出が最も重要だ」
と断じた。
大卒者の半数しか就職できない現実を打開するためには、大学教育の方向性を転換すべきだとの指摘も多い。
陳稔(チン・ニョム)元副首相(経済担当)は
「大学授業料の半額化などで大学進学率を高めたところでどうにもならない。
大学も休学生や未就業者が増えていることに責任を感じ、大学教育の方向性を変えるべきだ」
と指摘した。
徐相穆(ソ・サンモク)元福祉部(省に相当)長官は
「ベンチャー企業を育成するためのファンドが資金を支援するように、社会的企業や中小企業の企業を助け、育成していくための資金を提供する金融機関を政府が政策的に支援していく必要がある」
と訴えた。
雇用創出だけでなく、ワークシェアリングも課題だ。
韓国保健社会研究院のキム・ヨンハ元院長は
「欧州のように、賃金が減っても正社員の雇用機会を非正社員とシェアすべきだ。
韓国は労働時間が経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も長い方に属するので、労組は一定の譲歩が求められる」
と述べた。
中産階級の復元には政府の積極的な所得再分配政策も求められる。
韓国は高齢者の貧困率がOECD加盟国で最も高く、失業率も高い。
梁在振(ヤン・ジェジン)延世大教授は
「高齢者のための基礎老齢年金(月額9万4000ウォン=7400円)に増やす一方で、低所得層への給付を増やす制度に変更すべきだ」
と提言した。
梁教授は
「失業者に対する失業給付も現在は半年間に限られ、金額も最高で120万ウォン(約9万4000円)だが、中産階級が職場を失っても没落しないように制度を見直す必要がある」
と述べた。
梁教授は
「労使・政府による思い切った妥協など共生関係を構築し、定年問題を解決するとともに、低所得層に重点的に雇用を配分すれば、大企業と中小企業、正社員と非正社員の格差を縮小できるはずだ」
と指摘した。
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この程度のことしか言えないようでは、将来は危うい。
【 見えない歪み 】
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