2013年2月4日月曜日

韓国が貿易規模8位浮上:名目数字だけの奇形構造






朝鮮日報 記事入力 : 2013/02/04 09:29
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/04/2013020400546.html

韓国が貿易規模8位浮上、中身伴わず

 韓国の輸出と輸入を合計した貿易規模は昨年、1兆677億ドルとなり、前年に続き1兆ドルを達成。
 2002年に13位だった世界順位は、主要7カ国(G7)に当たるイタリアを抜いて8位に浮上した。
 しかし、韓国の輸出の中身をめぐっては、数字だけに酔って実態を無視しているとの批判も多い。

 海外で韓国製の携帯電話端末、自動車、テレビなどが人気で、貿易規模は拡大しているが、韓国人の市民生活にプラスになっていると肌で感じられないためだ。
 輸出が経済成長に与える影響は過去に比べ小さくなっており、雇用も期待ほど増えていない。

■大企業主体の輸出の限界

 「貿易1兆ドル、世界8強」
といった言葉に対する感動がさほど感じられないのは、大企業に偏った輸出に限界があるためだ。
 韓国の輸出に占める大企業の割合は09年の62.8%から11年には66.8%へと上昇した。
 雇用が少ない大企業が輸出の中心となっているため、波及効果は以前ほどではなくなった。
 輸出が10億ウォン(約8500万円)増えると、2000年には15.7人の雇用機会が創出されたが、10年にはその数字が7.9人にまで減少した。

 2000年代に入り、韓国の大企業が海外に現地生産拠点を相次いで設けたため、部品形態での輸出が増えたことも原因だ。
 中国への輸出の95%は中間財だ。
 輸出額は増えても、国内の下請け業者に対する恩恵は少なくなった格好だ。

 大韓貿易投資振興公社(KOTRA)情報企画室のムン・ジンウク課長は
 「業界は部品輸出など韓国企業間での輸出が全体の30%を占めると推定している。
 完成品輸出に比べ、国内に与える効果が小さいのは当然だ」
と指摘した。
 現代自動車の海外生産比率は半分を超え、56.7%に達している。

■韓国製品のシェア低下

 先進市場で韓国製品のシェアが低下し、輸出が増加したほど利益を上げられずにいるとの指摘もある。
 00年の米国の輸入市場で3.31%占めた韓国製品の割合は、昨年は2.59%まで低下した。
 日本の輸入市場でも5.39%から4.56%に低下した。
 欧州連合(EU)向け輸出は10年から2年連続で減少し、韓国製品のシェアは0.85%まで落ち込んだ。
 韓国は最終商品を消費する先進市場への輸出で地位が低下している。

 韓国の輸出全体に占める米国、EU、日本の割合は合計で 07年の35%から昨年は27%に低下した。
 一方、中国は同じ期間に22.1%から24.1%に、
 東南アジア諸国連合(ASEAN)は10.4%から 14.1%へ
と上昇した。
 韓国の輸出純増分は新興市場が中心だった。

 韓国貿易協会のシン・スングァン動向分析課長は
 「EUでは、域内貿易の拡大、中国などの成長が韓国には障害となった。
 欧米など先進市場は韓国ブランドの価値などを考えると、負けてはならない場所だ」
と懸念を示した。

■10大品目が半数以上占める

 輸出品目が一部に偏っていることも問題だ。
 輸出が増えても恩恵を受けるのは一部に限られるためだ。
 11年時点で石油製品、自動車、船舶、携帯電話など韓国の10大輸出品目が全体に占める割合は「49.8%」で、
 米国(24.2%)、
 日本(32.6%)
など先進国だけでなく、
 新興国の中国(28.1%)
よりも高い水準にある。
 サムスン経済研究所のイ・テファン研究員は
 「好況時はよいが、不況がやって来ると産業界全体が影響を受けるもろい構造だ」
と指摘した。

 原油価格が高騰したことが、石油製品と石油化学製品の輸出額急増につながっている点も考慮すべきだ。
 昨年輸出品目で1位となった石油製品は、韓国の石油精製大手4社が原油を輸入、精製して販売する構造となっているため、下請け企業は恩恵を期待しにくい。
 同じ規模の輸出による効果は、造船などの労働集約的産業に比べるとわずかだ。

 大企業・中間財中心の輸出体質は改善が求められている。
 最近の世界貿易機関(WTO)の調査によって、韓国の輸出の付加価値は輸出規模に比べて低いことが分かった。

 中小・中堅企業の最終財輸出を増やし、輸出の付加価値を高め、サービス輸出を強化すべきとの声が根強い。
 イ・テファン研究員は
 「モノの輸出の15%にすぎないサービス輸出を増やす必要がある。
 資源がない韓国にとっては、法律、医療などのサービス分野を強化することが輸出の付加価値を高める一つの方法になる」
と指摘した。


 サムスン電子、現代自動車、LGの寡占状態という奇形構造に陥ってしまった韓国経済だが、この三者による輸出は好調のようである。
 主要10品目の占める割合は「50%」だという。
 アメリカは1/4、日本は1/3だから、1/2というのは少々比率が大きい。
 これがコケたら、経済に与えるダメージは相当なものになる。
 しかし、だからといってそれを修正することもできないのが現状だろう。
 いけるとこまで行くしかない、そこで潰れたら諦める、と腹をくくるしかないのが韓国のいまの状況のようである。





【 見えない歪み 】


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