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朝鮮日報 記事入力 : 2013/03/03 09:44
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/03/2013030300176.html
【コラム】「金正恩の核」より深刻な問題
北朝鮮が3回目の核実験を強行した日、朝鮮日報政治部は対応に追われた。
ただ、北朝鮮の核実験は既に予告されていたものだった。
半月前から核実験を予告しており、長距離ミサイル発射から1-2カ月後に核実験を実施してきた過去の例からみて、北朝鮮による核実験は時間の問題だった。
決して予想不可能な突発事態ではなかった。
それでも3回目の核実験による衝撃は1回目、2回目の核実験とは次元が異なった。
北朝鮮の核武装が現実として迫ってきたからだ。
韓国政府も表立って話はしないが、同様の判断を下しているようだ。
しかし、よく考えれば、北朝鮮の核武装もはるか以前に予告されたシナリオに沿って進んでいるというのが正確な判断だろう。
それなのに20年以上、われわれが「不都合な真実」を見ないようにしてきたにすぎない。
朝鮮日報政治部が総掛かりで韓米政府の現職・元官僚、外交・安全保障分野の専門家にインタビューを行ったのは、その不都合な真実と向き合うためだった。
われわれに北朝鮮の核武装を防ぐ方法が果たしてあるのか、北の核武装を防げないとすれば、われわれはどんな対応措置を取るべきかを集中的に尋ねた。
その結果は核実験よりも衝撃的だった。
誰も自信ある答えを示せなかったのだ。
「南北対話の継続」
「中国を通じた北朝鮮説得」
「米国のミサイル防衛(MD)システムへの加入検討」
「戦術核の再配備」
「独自の核武装」
などさまざまな意見が出た。
ただ、成功する確率が低かったり、支払うべき代価が大きかったりして、これらの方策には意見を述べる本人でさえ、ためらいを感じているようだった。
もともと答えがない問題の解決法を探ろうと知恵を絞っているような感じもした。
結局われわれは北朝鮮の前に無防備で、丸裸の状態にあるという結論が出た。
今われわれが直面する安全保障状況は国家的な災難だ。
北朝鮮の3回目の核実験は68年前に広島、長崎に投下された原爆の半分程度のTNT(高性能爆薬)7000トン程度であり、核武装までには時間がかかるとの見方も一部にある。
また、長距離ミサイルに搭載できるほど、核弾頭の小型化、軽量化には成功していない点を挙げ、北朝鮮の核問題を差し迫った脅威と見なす必要はないとの声もある。
しかし、核実験の爆発力は実験計画に沿って、いくらでも調整が可能なはずであり、地震波の大きさだけで爆発力を測定することにも限界がある。
大切なことは、3回目の核実験で北朝鮮が核の能力をかなり向上させたという事実だ。
いくら過小評価しても、北朝鮮はいつでもソウルの主要施設をまひさせ、多くの人命被害を出すことが可能なレベルの爆発力を備えた核兵器を保有していると考えるべきだ。
2010年に西海(黄海)のペンニョン島海域で哨戒艦「天安」が真っ二つにされた当時、誰も「北朝鮮の仕業」だとは自信を持って言えなかった。
当時政府も「決め付けるべきではない」と表明した。
西海の潮の流れや水深、爆沈当時の状況からみて、到底軍事的な挑発とは考えられないとの理由だった。
実際にこの種の攻撃は世界の海戦史でも前例がなかった。
しかし、それをやってのけるのが北朝鮮の権力であり、北朝鮮の軍部だ。
北朝鮮がわれわれへの核攻撃を決めれば、その方法は必ずしもミサイルや飛行体を用いる必要はない。
北朝鮮はわれわれの予想できない時期に想像を超える方法で攻撃を仕掛けてくる可能性がある集団だ。
核は実際に使うために保有する兵器ではない。
核保有は相手の核攻撃に対する抑止力だというのが60年以上、国際社会の定説になっている。
そのルールを当てはめられないのが北朝鮮だ。
今年29歳になる北朝鮮の権力者、金正恩(キム・ジョンウン)氏と彼を取り巻く北朝鮮の内部事情はまさに予測不可能だ。
予測不可能な集団が大量破壊兵器を握っているというのが、韓国の安全保障の現実といえる。
しかし、歴代の大統領と政府幹部、そして国民に至るまで、現実を直視しようとせず、その結果目前まで迫った危機を危機と考えない不感症の段階に至っている。
朴槿恵(パク・クンヘ)政権はそうした核危機の中で発足した。
大統領は自身に対する歴史的評価を左右する決定的な事件に直面するものだ。
李明博(イ・ミョンバク)前大統領にとっては、退任後も痛恨の気持ちを隠し切れない天安爆沈事件や延坪島砲撃事件がそうだ。
朴大統領には北朝鮮の核問題がそれに当たりそうだ。
朴大統領にはこの問題に関して「韓半島(朝鮮半島)の信頼プロセス」という大統領選当時の公約にこだわらず、実質的な解決方法を探ってもらいたい。
そのスタートは、国民と共にわれわれの安全保障の現実を直視することだ。
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サムスンと現代自動車を救済するために国のすべてを動員する韓国。
そのためには、中国に猫なぜ声で擦り寄りもする。
他方、北朝鮮は危険は独自の核路線で中国自体を脅かしはじめている。
2つの相反する国家の動き。
今後、どうなっていくのだろう。
歴史はどんな答えを用意しているのか。
【 見えない歪み 】
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