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朝鮮日報 記事入力 : 2013/03/14 11:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/03/14/2013031401003.html
投資先なき韓国経済、企業に資金だぶつき
サムスングループの系列企業が金融監督院の電子公示システムで公表した監査報告書によると、各社の手持ち現金(短期金融商品を含む)はサムスン電子が37兆4500億ウォン(約3兆2690億円)、サムスン物産が1兆4200億ウォン(約1240億円)、サムスンSDIが9500億ウォン(約830億円)とだぶつき気味だ。
サムスン電子の手持ち現金は1年間で10兆ウォン(約8730億円)膨らんだ。
同社の手持ち現金は韓国財界9位のハンファグループの年間売上高を上回る。
サムスン物産、サムスンSDI、サムスン電機、第一毛織など残る主力系列企業の手持ち現金も前年比でそれぞれ10%以上増えた。
企業の手持ち現金は、原材料の購入、社員の給与など運転資金のほか、新規投資のための予備資金としての性格を帯びている。
このため、手持ち現金が多い状況は、稼いだ資金を投資に回さずにため込んでいることを示している。
サムスンは通貨危機以降、グループの手持ち現金を総動員し、半導体、ディスプレーなどの分野に毎年数兆ウォンから数十兆ウォンの大規模な設備投資を行ってきた。
しかし、今年は数十兆ウォンの現金を積み上げたまま、3月になっても投資計画すら発表していない。
韓国経済のトップランナーであるサムスングループに何が起きているのか。
■大規模投資は一段落?
サムスン電子が投資を先送りし、手持ち現金を積み上げている理由は複合的だ。
まず「サムスンの現状は韓国経済の現状を表している」との指摘がある。
主力事業に対する投資を終え、新たな投資先を模索できずにいる韓国経済の現状が反映されているとの見方だ。
数年前に新たな成長産業とされた太陽光、発光ダイオード(LED)、電気自動車用バッテリーの各分野は、業況悪化で投資攻勢をストップした。
グループ幹部は
「投資は業況が良好だと判断しなければ不可能だ。
現在のように困難な状況では事業拡大はできない」
と話した。
しかし、バイオ、医療に対する投資は継続している。
仁川市の松島にはバイオ製薬工場を建設し、年初以降には米国のコンピューター断層撮影(CT)専門の医療機器メーカー、ニューロロジカを買収した。
新事業担当関係者は
「数十個のプロジェクトが社内で進んでいるが、バイオ・医療分は歳月を要する」
と指摘した。
主力事業でも投資機会を失っている。
グループ投資の3分の2を占めるサムスン電子の主な投資先は、半導体とディスプレーだった。
半導体事業には過去数年で毎年10兆ウォンを超える資金をつぎ込み、韓国国内では重要投資を完了したとみられている。
DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)需要が低迷しており、これまでのような攻撃的な投資は継続できない状況だ。
次世代ディスプレーの有機EL(OLED)パネル分野では、市場の伸びや歩留まりに問題が生じ、予定していた投資を先送りしている。
首都圏の半導体設備メーカー社長は
「新工場が建設されなければ、設備投資も設備発注も増えない。
サムスンは韓国国内では既存設備を補強する程度の投資にとどまっている」
と指摘した。
■政府も投資不振に危機感を
サムスングループは、内部で取りまとめた暫定投資額が昨年を下回ることが判明し、投資を何とか増やせないか検討しているとされる。
別のグループ関係者は
「サムスンが投資を減らせば、韓国経済に悪影響が及ぶため、投資規模を昨年より増やすために努力している」
と述べた。
政府がさらに投資促進策をまとめ、方向性を示すべきだとの指摘もある。
産業研究院の張允鍾(チャン・ユンジョン)博士は
「企業が現金をためこんでいるのは、今後の成長性が低下するシグナルであり、新たな投資分野を提示できない政府にも責任がある。
中国、日本など韓国のライバル国では、政府が新たな成長産業を直接指揮しており、韓国の企業と政府は危機感を持つべきだ」
と訴えた。
資金はあっても使い道がなく、インフラ整備の遅れで前進できないという残念な現実が韓国経済の未来に立ちはだかっている。
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【 見えない歪み 】
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